彼岸花

「それ、君には似合わないね」

赤い着物を纏った少女は、少年に燃えるような紅の羽織を被せ、そう言った。

「…そりゃあ、男に赤は似合うめぇ」

ため息混じりに呟けば、そうじゃないと返される。

「その模様。彼岸花」

君はまだ此岸に居て、と。 




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